ゆとり世代から見たZ世代

ゆとり世代。世代間ギャップや新しい時代のマネジメントを考える

若いうちに失敗していない人は、役職についた時大失敗する

大きなプレゼンを控えた後輩から「どうすれば本番で成功するでしょうか?」と聞かれたことがある。

 

なかなか難しい質問だったけど、僕はこう答えた。

「練習で、もの凄い数の失敗をすることじゃないだろうか」

 

例えば車メーカーが新しい車種を発表する時、没になったものが何百案もある。

料理人が新しいメニューを作る時、何百回も試作/試食を繰り返す。

初めて補助輪なしの自転車に乗るとき、誰だって何十回もこけただろう。

 

勿論、ビジネスの場において失敗は無い方がいい。でも、やってみて失敗して、やり方を変えてまた失敗して…という試行錯誤がよいアウトプットを生み出すことは事実だ。もし「失敗したことがない」人がいたら、その人は「何もしていない」人だ。

 

その後輩が練習で失敗を恐れて当たり障りのないことしかしなかったら、たぶん本番で大失敗していたと思う。彼は練習で何度もダメ出しをされたが、その度に資料や話し方を修正して試していた。「こんなに失敗ばかりで大丈夫か」という人もいたが、僕は(そして恐らく彼も)「こんなに練習で失敗しているから本番は絶対に大丈夫だ」と考えていた。結果的に、本番でのプレゼンは今までで一番良い出来だった。

 

Z世代の課題として「失敗を異様に恐れる」ことがある。凄く真面目で慎重だからだろうが、僕はこれが凄くもったいないと感じる。若いうちに失敗をしなければ、歳をとって役職に就いた時に、より責任の大きい場面で失敗をしてしまう。

 

繰り返すが、失敗を歓迎するわけではない。ただ、「失敗を恐れて何もしない」のはもっと歓迎しない。だから僕は、「失敗したら俺のせいにしていい/俺が言ったと言っていい」と常に後輩に言っていた。