ゆとり世代から見たZ世代

ゆとり世代。世代間ギャップや新しい時代のマネジメントを考える

正解の数が増えた時代。Z世代は「決める」ことから逃げてはいけない

Z世代の大きな弱点として「決める」ことが苦手な傾向にある。

 

これはネットの普及で様々な価値観に触れる機会が増えたからだと思う。僕の父が小さい頃のアニメは「正義のヒーローが悪を倒す」のが王道だったそうだが、僕が見てきたアニメは「ある正義と別の正義がぶつかりあう」ものこそ王道で、主人公が悪というパターンすらあった。考えすぎかもしれないが、価値観の多様化が生み出した変化だと思っている。

 

月並みな言葉を使えば「正解のない時代になった」というが、僕はより正確には「正解の数が増えた」のだと思う。例えば、昔は大手企業の社員や公務員になってこそ理想という考え方があったらしいが、今の時代はフリーランスベンチャー入社、Youtuberなど色々な選択肢があり、そのどれもが正解だ。

 

そんな選択肢にあふれた時代を生きていたからか、Z世代の弱点として「どちらも正解」の選択肢の中から、どちらかを選ぶことが苦手な人が多いのだ。

 

僕自身がそうだった。所属していた音楽サークルでは部長のようなことをしていたのだが、曲を決める時「お前はどっちの曲がいい?」と言われるのが嫌いだった。どちらもいい曲だったし、どちらかがいいと言うと反対派から怒られてしまうからだ。

 

社会人になった今だからわかるが、この時の僕の態度は一番ダメだ。仮にもリーダーである以上、どちらも正解の選択肢からどちらかに決めなくてはいけない。どちらも正解でありリスクはあるが、それでも決断し、そのリスクはリーダーである僕が背負わなければいけなかった。

 

Z世代は本質的に真面目で優しい人が多いから、二つの正義から一つを選べない人が多い。が、ビジネスの世界ではどちらを選ばなくてはいけない時が必ず来る。まずは小さいことでもいいから、「決断する」くせを若いうちからつけておいた方がいい。